伝知板・・・2009年

                                         各月をクリックしてご覧ください

 8月   9月    10月    11月  12月 


     〔2009年 8月〕


              西本願寺 聞法会館 にて(8月23日)            

                    

筑前琵琶の曲は数百曲あり、その中に宗教(家)関連の曲が、同名異曲を含めて
二十余曲あります。しかし今日では、〔青の洞門〕〔石童丸〕などが、稀に演奏される
くらいです。二十余曲の中で親鸞聖人についての曲が一番多く、ご得度からご入滅
までのエピソードが、大正時代に九曲創作されています。
西本願寺の聞法会館にて毎週行われる〔日曜講演〕にお招きいただき、〈粟田口〉と
〈板敷山〉の2曲、そして〈あつもり+祇園精舎〉を演奏させていただきました。
かねてからのご縁の又ご縁のおかげです。お話の苦手な私ですが、琵琶の解説も
含めて心地良い緊張感で、なんとか勤めさせていただきました。
 





   新宮図書館 にて(8月29日)

          

ご担当のOさんをはじめ、O館長自ら脚立に上って、持参した垂れ幕の吊下げや、行燈の
設置など会場の準備に、図書館員の皆さん全員が総出で取り組んで下さいました。    
図書館の広報が配布されて間もなく、定員を遥かに超える申し込みがあったそうで、   
当初の1.5倍に会場を広くして対処して下さいました。多くの図書とご好意に囲まれた   
  演奏の夕べでした。                                               




   
賀茂神社 にて(8月30日)

       

     打合わせと会場の下見のために、賀茂神社を訪れたのは7月22日。 小雨の煙る
    夕方でした。この日案内して下さったSさんのご紹介で、この度の演奏が決まり、
    初めて室津を訪れました。室津に入ると潮の香りがしてきて、久しぶりに懐かしい
    記憶が戻ったように感じられました。由緒ある賀茂神社は岬の小高い所に位置し、
    参籠所からは播磨灘の島々のすばらしい眺めを楽しめます。かってシーボルトが
    訪れて、その感激をスケッチに遺しています。

    

    奉納演奏で新作の初演、心地よい緊張感に包まれ楽しいひとときでした。
    午後には町の中を散策し、一般の来訪者にも解放された家々で、様々に飾られた
    お雛さまを眺めることができました。それを楽しみにこの日室津に来られた方たち
    も、献茶祭の後に参籠所でお茶を楽しんでおられました。



   
佐用町立図書館10月3日の予定が延期となりました)
    この度の豪雨のため、佐用町では大きな被害を受けられました。
    心よりお見舞いを申し上げます。

    佐用町立図書館でも、再開に取り組んでおられます。
    このため、10月3日に予定の演奏会は延期となりました。
    後日お知らせいたします。



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〔2009年 9月〕


   
佐保山茶論 にて(9月5日)
   
     

  
 万葉の時代に大伴家持の邸宅があった法蓮町 演奏は大伴家持の歌碑の除幕式
    を2週間後に控えた岡本邸の竹風亭で行われました。佐保山茶論を運営されている
    皆様はもちろん大の万葉フアン。演奏会の進行をはじめ お茶席での衣装は写真の
    通り万葉衣装で、さすがにぴったりと身についておられました。私も一度着てみたい
    と思いました。                              歌碑は大伴家持の
       〔我がやどのいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕へかも〕(巻19、4291)
    揮毫は駒澤大学名誉教授で高岡市万葉歴史館館長の小野 寛 先生です。   



                                 
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   〔2009年10月〕


    
京都造形芸術大学(9月末〜11月中)

          

    昨年より後期の非常勤講師として、京都まで「通勤」しています。
    通勤といっても、週に一度の遠出ですが・・・・。
    芸術学部の皆さんの〔伝統芸術演習〕のお手伝いをしています。
    日本の古典を体験することにより、各専攻分野での更なる創造に生かしてほしい
    との、芸術大学ならではのプログラムです。
    能、鳴り物、日本舞踊、琵琶、京舞、常磐津の中からの選択です。
    最終日に行われる発表会が楽しみです。



    
NHKかんさい特集・ふるさと歴史ウォーク
 
   源平合戦ロマンの地をめぐる 〜兵庫・須磨〜(10月11日)

                    

    須磨の浦で〔あつもり〕を演奏してきました。
    関西の名所・旧跡を、歴史に詳しい著名人や郷土史家の解説で、一般参加者が
    ともに歩く番組の収録でした。およそ130名の老若男女が下記の方々と一緒に
    ウォーキングを楽しまれました。
        講師:西海 淳二氏(郷土史家、須磨歴史倶楽部理事長)
        ゲスト:亀山 房代さん(タレント)
        進行:秋鹿 真人氏(NHKアナウンサー)
    須磨浦公園〜須磨寺までの道中模様は下記の日程で放送される予定です。
    
         11月20日(金)午後8時〜8時43分
               NHK総合テレビ 近畿ローカル
              (再放送:11月21日(土)午前10時5分〜10時48分)
     BSHi番組 全国放送〔ふるさとからあなたへ〕で下記の通り放映されます。 
              11月25日(水)午後4時〜4時44分
             〔かんさい特集ふるさと歴史ウォーク〕
                  〜源平合戦ロマンの地をめぐる 兵庫・須磨〜

    演奏風景は1〜2分映るそうですが、さて、どんな様子でしょうか。
    楽しみです。

     歴史秘話ヒストリア

    なお、上記とは別の企画用に〔祇園精舎〕の演奏場面の撮影がありました。 
    渚で風に吹かれながらの、波音とのコラボレーションは、心地よく格別でした。
    ある瞬間、琵琶の弦がひとりでに、かすかに鳴りだしました。
    風の精によるささやきか、と感動しました。
    今年4月から始まった「歴史秘話ヒストリア」の、平家関連番組の中のVTR冒頭部分
    に使用される予定です。数十秒くらいのようです。
    
    放映日が下記の通り決まりました。
        〔歴史秘話ヒストリア/私たち、草食系武士です。〜新・平家家族物語〜〕
              12月16日(水)午後10時〜10時43分  NHK総合テレビ 全国放送
        再放送  12月23日(水)午前 8時15分〜8時58分 BS2 全国放送
      再々放送  12月23日(水)午後 4時 5分〜4時48分 NHK総合テレビ 全国放送   

    ご都合がよろしければご覧ください。
    一瞬の間ですからお見逃しなきよう・・・・。



    
龍王山 浄泉寺御堂 にて10月17日)

          

    およそ10年前のFM放送がご縁となり、2001年秋にお招きいただき初めて田布施町
    を訪れました。以後吉田龍昭師のご紹介で、多くのお寺にて演奏のご縁を頂いて
    参りました。この古刹の山号・龍王山にふさわしく、山門の彫刻には龍そして襖に
    も龍が描かれています。何れも、このお寺の歴史を感じさせる風情があります。
    この度も、今はあまり説法のために使われることの少なくなった、高座に上がり
    演奏しました
(右写真左下)。お寺での演奏の際には、いつも感じることですが
    場の力″と言うべきものがあるように思います。
    開演に先立つ仏教賛歌は、温もりと優しさに満ちています。 御門徒の方による
    尺八そして舞踊との共演もあり、和やかな夕べでした。


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 〔2009年11月〕


    
  なでしこの家 にて(11月7日)

        

    フィンランド製のログハウスは懐かしく、十数年前に雪の中、ログハウスに泊まっ
    たことを思いだします。訪れた二つの小学校ではフィンランドの子供達が民俗衣装を
    着て民俗楽器のカンテレを奏でて迎えてくれました。
    今日の演目には、フィンランド(スオミ)の自然を詠った器楽曲の〈クリスタル・スオミ〉
    を加えました。よく響くこのログハウスで数十名の皆さまが、肩を寄せ合うようにして
    聴いて下さいました。
    あたたかい拍手と、また、打ち上げの際の手作りの味は格別なものです。



   
むろの里よこの にて(11月14日)

         

    前夜は大雨、しかし朝出発する頃には 陽がさしてきて 会場の〔むろの里よこの〕さん
    宅に着いた時 一面に青空が広がっていました。 築八十年を越える町家の間取りの
    玄関を入ると そこは土間。  ぬくもりの空間で〔出会いは不思議、出会いは大事〕の
    言葉が迎えてくれます。
    昔の風情が今も残る数少ない町・室津 古くから港町として栄えた室津を知るには、
    歩くこと ぶらぶら逍遥するのが良い。〔魚魚市=とといち〕には 新鮮な魚や加工品を
    求めて、近隣から大勢の人達が訪れ 今では毎週土曜日に開かれているそうです。
    この市の主役・浜のか
ちゃん達も 静かに白拍子の物語を聞いてくださいました。



                                          
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〔2009年12月〕


    安永山 楽法寺 にて(12月15日)

         
     
     この日の法要は、朝の護摩供養から始まりました。山門横の広場からの煙が境内
    一面に籠り、青空との対比が鮮やかでした。加西西国霊場第一番の楽法寺の山門
    は、約500年前の戦国時代のもので風格のある構えです。法要と演奏会場の本堂は
    300年ぶりに平成10年に立て替えられたそうです。市内の曹洞宗の寺院から参列
    された、十数人のお坊さんによる厳かな法要が進み、そして一般参列の善男善女の
    御焼香となりました。  演奏のための舞台やスポットライト、蜀台などを檀家の皆様
    が設営してくださいました。最後に記念の写真を安永和尚ご夫妻と共に撮って頂き、

      
お心づくしの昼食をご馳走になり、清々しい空気の中を清々しい気持ちで帰路に着
    きました。

     



    2009年をふり返って
     
      今年もあと僅かとなりました。
     この一年をふり返って見ますと、身近なことでは、8月の台風9号の大水害が大きな
     衝撃でした。私は当日家から一歩も出ずに居たので判りませんでしたが、すぐ近く
     の揖保川では、橋の上まで冠水していたそうです。
     佐用町では多くの方が亡くなられました。
     また、10月の〔かんさい特集・歴史ウォーク〕で案内役を勤められた亀山房代さん
     が急逝されました。お若く、あんなにお元気だったのに、と驚きました。
     ご冥福をお祈り致します。
     個人的には9月と11月に身内の二人とお別れをしました・・90代と60代。
     これからの人生を心して歩まねば、と思います。
     今年も様々なご縁を頂き、異なった環境の下に演奏の機会を得て、多くの方々と
     お会いすることが出来ました。
     更に精進を重ね、皆さまとのお出会いを大切にしていきたいと願っています。
     ありがとうございました。

  



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