伝知板     伝知板・・・2010
      大藪旭晶の小宇宙
                                   

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  2010年(平成22年)    
2月 3月  4月  5月 
 6月   9月  11月  12月
 
 〔2010年 2月〕
佐用町立図書館 にて(2月6日)             .                                                       

            

昨夜からの寒波で今年一番の寒さとなり この日初めて積雪をみました。
佐用まで35分を姫新線の列車に揺られ 佐用駅に着くと吹雪いていました。
昨夏の大水から半年 図書館の壁にも当時の2m近くの水の跡が残っています。
工事中のところも多くまだ仮設住宅の並ぶ地域もあります。
終曲は〈童謡メドレー〉  〈茶つみ〉〈赤とんぼ〉〈たき火〉〈春が来た〉の歌を間奏と
共に演奏し 皆さんとご一緒に合唱しました。 皆さんの歌声に力強い意思が感じ
られ熱くなりながら 演奏しました。一日も早いご復興を願ってやみません。       


 〔2010年 3月〕


西栗栖小学校にて(3月1日)
 
    

日本各地の学校と同様に この西栗栖小学校でも児童の数は大変減っていて   
現在は81名とのことです。低学年の頃には5Kmもの徒歩通学に 途中で休み休み
の児童も すっかり逞しくなってくる と校長先生は目を細めて語っておられました。
今年の卒業生は13名 最前列で静かに聴いてくださいました。
この日の〔六年生を送る会〕では在校生による劇やゲーム そして 地元の駐在所に
37年間もの長期に亘って勤務された駐在さんへの 児童代表からの感謝状贈呈等
が行われました。久しぶりに小学校を訪問し 懐かしい気持ちになりました。
 




大津公民館にて(3月6日)     

       

〔つどい まなび むすぶ〕がキャッチフレーズの大津公民館の館長さん そして婦人会の
役員の皆さんが 会場の準備に早くから取り掛かってくださいました。
婦人会主催の演奏会という事で 女性のみの参加をなんとなく思い浮かべていまし
たが なんと!80余名の中に男性も数名ご来聴くださいました。 いつもの事です
が 初めて琵琶を聴かれる方が殆どです。これからもできるだけ多くの方に多彩
な琵琶の魅力をお伝えし琵琶を身近に親しんで頂きたいと 決意を新たにしました。
 




    〔2010年 4月〕


奈良県老学睦会にて(4月16日)

 

電車の窓から久しぶりに朱雀門を眺めて 会場のある畝傍御陵前駅に着きました。
結成から29年になる老学睦会の総会 そして141回目の研修会に 5年振りにお招き
頂きました。久しぶりに訪れた奈良駅周辺は工事中の所も多く 平城遷都1300年
の今年は 様々なイベントが企画されています。
翌日には国立博物館を訪れ 〔大遣唐使展〕を4時間かけて見て廻りました。
20次に亘る遣唐使が その後の日本の形成に及ぼした大きな影響を学びました。
いま私が奏でているこの琵琶の源流が 遣唐使により将来していることを思うと
感慨深いものがあります。
 




    〔2010年5月〕


    
納蔵山誓立寺にて(5月21日)

       

JR山陽線の岩国駅から九つ目の田布施駅は岩国駅から凡そ40Kmの距離にあり
徳山駅へは30Kmあります。誓立寺の先々代の坊守さんは 筑前琵琶を弾いておら
れたそうです。遺されていた琵琶の絃を代えると 大変良い音色が甦りました。
ご住職ご夫妻が音楽を愛好されていることは 今までの演奏会に〔親鸞音楽会〕と名
づけて来られたことからも伺えます。




   〔2010年6月〕


   
宝玉山光禅寺にて(6月4日)

    

      会場の宝玉山光禅寺は 奈良時代に行基菩薩により創建されたと言われ 現在地         
      に移転してからでも優に400年を超えた古刹です。演奏の後には 親鸞聖人のお話    
      をされた今田師と共に 私の苦手なトークに参加しました。演奏会の準備等を担当さ        
      れた事務局の池田師のユーモア溢れる司会進行に助けられ 無事に!過ごせました。     
      夜の部は舞台を本堂からライトアップされた庭へ移し 御門徒の方の舞踊との共演で        
      〔黒田節〕と〔荒城の月〕そして〔粟田口〕〔板敷山〕 また源平の物語2曲を 美しい          
      紅葉を背景に演奏しました。早くからこの度の演奏会の準備に取組んでこられた        
      十数名の皆様の打ち上げにお招き頂き 楽しい団欒のひと時を過ごしました。
      宿へ帰ると真夜中を過ぎていました


    〔2010年9月〕 



    動画が投稿されました    

〔琵琶工房やまのべ〕の工房主の友人が 動画をYouTubeに投稿して下さいました。
昨年の秋にNHKで放映された〔かんさい特集・ふるさと歴史ウォーク〕の
〔源平合戦ロマンの地をめぐる〜兵庫・須磨〜〕の映像です。
演奏の一部がご覧いただけます。   ここをクリック
してください。 




    太鼓衆団 輪田鼓 第14回公演にて(9月23日)

        

  久しぶりに 輪田鼓の皆さんとご一緒の舞台でした。                       前回の第11回公演〔源平遥かなり〕では 全て源平に関する曲でしたが この度は    
 第二部に琵琶のステージを設けていただいたので 演奏の機会が少ない曲をと思    
い〈義士の本懐〉〈小栗栖〉を加えました。                          
中央の写真は 第三部の最初の演目〔舞踊:牛若丸と弁慶〕の一場面です。       
  琵琶曲〈五條橋〉を舞踊用に編曲・短縮しました。                        
単独での演奏活動がほとんどですが このような共演にあたって編曲や創作にも    
取り組む必要があり それもまた楽しみのひとつです。                  
 




    〔2010年11月〕


    立冬の宵 琵琶の秋韻 〔ギャラリー・松〕にて(11月11日)

          

    聴き入って下さる方の様子がはっきりと見えるのは 演奏しにくいところもありますが
    それでも このような演奏空間では 手応えが良く分かるので 楽しいものでもあります。
    大西崇与さんの素敵な絵の数々は 設営の際に全て移動しているため残念ながら
    ご覧いただけません。三枚目の写真は 後ほどお願いして送って頂いた〔藤の咲く頃〕
    と題された絵です。右は室津賀茂神社にて先日撮ったもので 大西さんが奉納された
    〔絵馬〕の絵の前でパチリ。〈鳥取の布団のはなし〉に涙したと 後で話してくださった
    若い女性もおられました。 これからも 良い題材を得て、朗読琵琶の創作を続けて
    いきたいと思っています



    特別授業 筑前琵琶で聴く日本の古典 〔御津中学校〕にて(11月11/17日)

      

    多くの先生や生徒さんのご協力のお蔭で 広い武道場に立派な演奏会場が設営され
    ました。演奏曲に関連した 絵巻物や絵本からの絵 また歌詞をスクリーンに写し出し
    視覚的にも生徒の皆さんに親しみやすくなるよう工夫された 特別授業のひと時でした。
    最後に 校歌の歌詞を用いて琵琶歌風にした予告なしの曲を演奏すると どよめきが
    起こりました。 後で頂いた感想文集によると 当然のことながら 色々な感想があり
    様々な受け止め方のあることが分かります。今まで国語の授業で習ったことのある
    題材を演目としていることが 生徒の皆さんの興味を繋ぐ大きな要因でもあると 思わ
    れます。オープンスクールの期間でもあり 毎回幾人かの保護者の方が一緒に聴いて下さ
    いました。




    〔2010年12月〕


    赤穂義士追慕法要 琵琶献奏 花岳寺にて(12月14日)
    
    
    
    前日は朝からの雨で前夜祭を案じていましたが 幸いにも小雨となり 沢山の蝋燭が
    境内に灯されました。揺らめく光の中 楽松師の追慕寄席を楽しみに多くの人がお参
    りされていました。門前広場は竹あかりと高張提灯でライトアップされ 内蔵助の好物
    と伝えられる「ニラ雑炊」がふるまわれていて しばし腰を下ろして頂きました。
    そぼ降る雨の中 LED約3万個の輝きが 赤穂城跡本丸の五層の城を幻想的に浮かび
    上がらせていました。法要当日は朝から陽がさし 暖かい快晴の青空が広がりました。
    献茶 法要 と行事が進み 準備のための暫しの休息の後 献奏の時間となりました。
    焼香の際と同様に 追慕の念を込めて演奏をいたしました。
    町の中心街はお子さん連れの人も多く見受けられ 大いに 賑わっていました。
    小中学校は休校の様で 赤穂義士祭にかける赤穂市の意気込みが感じられました。




    2010年をふり返って
     
      今年もあと僅かとなりました。
     世の中はなかなか変わらない というのがこの一年の実感です。
     今年も演奏の場は多様・・お寺 神社 学校 公民館 図書館など・・でした。
     琵琶を初めて聞かれた方が多く この状況は昔とほとんど変わりません。
     総じて 〔朗読琵琶〕はかなりの皆様に受け入れて頂けた と感じました。
     あらためて選曲の大切さを思いました。
     個人的には 6月から9月にかけて体調不良のため苦しみました。
     呼吸が浅く咳き込んで眠れぬ日が数日続き 肺機能検査で〈肺年齢〉という初めて
     の検査結果が 97歳という驚きの数値でした。
     しかし治療により 秋には実年齢をやや下回る(!?)までに回復しました。
     主治医によるとこの〈肺年齢〉は それほど重要視するべきものではない とのこと
     でしたが もう歌えないのではと・・不安の日々でした。
     
     今年も様々なご縁を頂き、多くの方々とお会いすることが出来ました。
     更に精進を重ね 皆さまとのお出会いを大切にしていきたいと願っています。
     ありがとうございました。

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